【インタビュー】“ゆる朝活”でサイトアクセス12倍!「朝時間.jp」が伝えたいこと
朝時間.jp編集長:澄江元美のインタビューを公開しました!ぜひご覧ください。
“ゆる朝活”でサイトアクセス12倍!「朝時間.jp」が伝えたいこと
▲「朝時間.jp」編集長 澄江元美
「朝時間.jp」は日本最大級の“朝のライフスタイルマガジン”です。2006年にローンチして以降、20〜40代の女性をターゲットに月間1000万PV(※)を超えるWEBメディアに成長しました。今回は、同メディア編集長の澄江元美の姿を通して、「朝時間.jp」のコンセプトやビジネスモデルに迫ります。
「ありそうでなかった」時間軸で区切った朝活メディア
2000年代半ばから、日本では健康や環境に高い関心を示す人が増え、「LOHAS」や「スローライフ」というキーワードをよく見かけるようになりました。
弊社代表の粟飯原理咲は、もともと自身が朝型生活の良さを実感していたこともあり、世の中のトレンドとして健康的な暮らしや、心と身体の心地よさを重視する層が増えているのではと考えていました。
さらに当時は時間帯を切り口にしたメディアが他になかったことから、2006年6月に「朝時間.jp」をローンチ。そして、2012年から編集部にジョインしたのが澄江です。
澄江 「朝型生活に関心を寄せているのは、自分の生活を自分自身で組み立てたいという前向きな方々。1日のはじまりである朝を心地よく過ごせれば、その1日の充実度も上がりますから、朝の過ごし方を充実させよう、というのがコンセプトです」
「朝時間.jp」のビジョンは「朝時間を楽しむ人を増やす」こと。
具体的には、ユーザーに対してさまざまな「朝時間」の過ごし方を提案し、朝美人®(自分らしく心地よい朝時間を楽しむ人)の輪を広げます。クライアントに対しては、ライフスタイル感度の高いユーザーとの架け橋になり、社会に対しては朝型市場・朝型文化の盛り上げ役になっていきたいと考えています。
サイトをローンチした当初は、まだ「朝活」というキーワードもなく、新しい文化である「朝時間」「朝型ライフスタイル」に注目を集めるため、モデルや女優など著名人の「朝時間の過ごし方」を紹介するコーナーを設けていました。
世の中の動きも、2007年には世界一の朝食で有名な「bills」が日本に上陸し、オシャレな朝食を食べに出かけたり、2010年には「朝活手帳」が発売されて話題になったりと、徐々に朝市場が盛り上がってきた時期でした。
しかし、市場が盛り上がってきた一方で、著名人の朝時間インタビューを見ても憧れで終わってしまう、「私にはとてもできない」と思われてしまうという課題も出てきたのです。
澄江 「『朝時間.jp』のユーザーからも、『朝活したいけど、そんなに早起きできません』というような声が寄せられることがありました。朝型生活に興味があるからアクセスしてくださっているのに『でも私は朝型になれない』と悩んでいらっしゃる――何とかしたいと思いました」
その課題を解決すべく、「朝時間.jp」は2015年に、当時協業していたシステム構築に強い株式会社VOYAGE GROUPのチームメンバーと一緒にフルリニューアルを実施したのです。
「ゆる朝活」への方針変換で、PVは12倍に
▲朝美人アンバサダーがさまざまな「ゆる朝活」をInstagramで発信中
「朝活」と聞くと、4時に起きてバリバリ活動するようなハードなものを想像されることがよくあります。しかし、「朝時間.jp」で提案する朝活は、8時に起きてもいいし、週末だけでもOK。自分なりの「朝時間」の楽しみ方を見つけてもらうため、「ゆる朝活」と名づけました。
澄江 「生活スタイルは人それぞれ。だから朝時間=1日のはじまりと捉えて、起きて最初に取る食事を工夫するなど、1日のはじまりを自分らしく気持ちよく過ごせるようになってもらえるといいなと思っているんです」
リニューアルでは、早起きばかりではなく、自分の1日のはじまりに注目してもらえるよう、スキンケアなどの美容情報や、ファッションコーディネートの連載など女性の朝に欠かせないジャンルを追加しました。
ユーザーからも、「時短メイク術が役に立つ」「週末はヘアアレンジを楽しむようになった」など、自分のペースで朝時間を楽しむことに気づいたという声をいただきました。「ゆる朝活」層へのアプローチにかじを切ったことが功を奏し、2018年5月現在、リニューアル前の約12倍、月間1000万PV(※)を超えるサイトに成長しました。
2018年現在のユーザーは、7割が有職者の20代後半~40代の女性が中心。通勤前の忙しい朝時間をうまく活用したい、楽しみたいという方々です。
リニューアル後には、ユーザーと一緒にさらに朝時間の良さを広げていくため、「朝美人アンバサダー」制度をスタート。現在は朝時間を楽しんでいる20〜40代の方を中心に、100人を認定しています。
会社員や主婦の方が中心ですが、ヨガのインストラクターや学生など職業・年齢はさまざま。今は特にInstagramに積極的に投稿している方々を組織化しています。
朝美人アンバサダーのみなさんには、「私の好きな朝時間の過ごし方」というコラムを書いていただいたり、アンケートや取材に協力していただいたりしています。
また、クライアントからPRの相談をいただいた際は、朝美人アンバサダーさんたちに商品を使ってもらったり、体験してもらったりして、Instagramに感想や写真を投稿してもらう広告プランも。
澄江 「アンバサダー全員のInstagramフォロワー数を足すと、直近では約63万リーチあります。1万フォロワーを超える方もいて、それぞれ自分が好きな分野と朝時間を絡めて、朝の楽しみ方を発信してくださっています。
朝美人アンバサダーの活動を通じて、新しい朝時間の楽しみ方に気づけた、朝活仲間ができた、Instagramのフォロワーが増えたなど、みなさんの朝時間にも変化が起きているようです」
運営側としては、得意ジャンルや年齢、職業、住んでいる地域が偏りすぎないように意識しています。
リニューアル前は朝ごはんが人気コンテンツでしたが、それだけではせっかくリニューアルして裾野が広がったのに台無しになってしまうため、ファッションや美容などさまざまなジャンルを得意とする方にバランス良く活動いただくよう気をつけています。
記事タイアップやサンプリングで、朝を軸にした商品の間口を広げる
▲「朝時間.jp」編集部が体験して、広告記事用に撮影することも
リニューアル後は、ユーザーだけでなくクライアントも大幅に増えました。扱う記事ジャンルを増やしたことで、商材は食品・飲料、レシピ本、洗剤、アプリ、学習商材、下着などさまざまです。
澄江 「朝時間は習慣化しやすい時間帯なんです。たとえばヨガを習慣にしたい場合、夜は会社の飲み会や残業などが入り、自分で制御できないことが多々ありますよね。でも、朝はどんなライフスタイルの人でも早起きして時間を確保しやすい、かつ習慣化しやすい時間帯なんです」
広告プランで人気なのは、記事タイアップと朝美人アンバサダーへのサンプリング。タイアップは構成案の作成から編集部も一緒に入って、「朝時間.jp」の読者に合うアプローチをクライアントと一緒に考えていきます。
たとえば、下着メーカーの株式会社ワコール様から「きちんと楽ブラ」というシリーズ商品のPR案件をいただいた際、記事広告として4本の連載記事を公開しました。
「寝るとき専用のナイトブラ」は「朝スッキリ目覚めるための夜習慣」という記事にしました。睡眠の質を上げるには、寝る2時間前から照明をダウンライトにするなどのノウハウと一緒に、「実は寝返りをたくさん打っているので、ナイトブラをつけることでリラックスしながら睡眠中に動くバストをサポートしてここちよい眠りへ誘ってくれる」と紹介。
すると、PVは想定の1.2倍以上に。さらにワコール様からは、自社で開催していたキャンペーンに「朝時間.jp」ユーザーからの申し込みの反響があったというフィードバックもいただきました。
タイアップ系のキャンペーンはアンバサダーだけにサンプリングするメニュー以外にも、月間130万人以上いる読者からサンプリング参加者を募るメニューも人気です。
「朝時間.jp」上に企画ページをつくって商品説明も載せて参加者を募集し、抽選で選ばれた100人の読者に試してもらい、クライアント指定のハッシュタグと「#朝時間モニター」を付けてInstagramに投稿してもらいます。クライアントからは「こんな使い方があったのか!」「写真がきれい!」と評価いただいています。
より行動を促すメディアになって、朝時間の良さを広めていきたい
▲「朝時間.jp」監修の書籍出版やCD発売は10点以上
「朝時間.jp」のユーザーには、朝時間を活用して、より人生を楽しみたい、より良く暮らしたいというような、ポジティブな方がたくさんいらっしゃいます。だからこそ「読んで終わるだけではなく、読んだ後にアクションを促すメディアにしていきたい」と澄江は語ります。
すでに6〜7割の方は、記事を読んで料理をしたり商品を購入したりと、行動に移されていますが、よりアクションを促すメディアにしたいというのは、ここ1年で掲げている大きな目標のひとつ。
また、2018年現在はLINE公式アカウント(友だち数88万人)の運用や、SmartNewsやYahoo! BEAUTYなど、さまざまな外部メディアにも記事を配信しています。しかし、配信先のメディアをもっと増やしていきたいと考えているのです。
澄江 「暮らしや美容・コスメ、子育てメディアやキュレーション系サイトなど、層の違う読者を抱えたメディアともコラボして、朝時間の良さを伝えていきたいです。誰にでも平等に訪れる朝だからこそ、メディアとのコラボを増やし、世の中に朝時間の良さを広めていきたいという思いを持っています」
「朝活」はハードルが高いと思っている人や、自分には無理だと思っている人に、まずは朝時間に気持ちを向けてもらう。それがリニューアル後のテーマのひとつでもあります。
壮大ですが、朝時間の良さに気づいてもらい、楽しむ人を増やすのが目標です。
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